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2023.4.24

本格焼酎製法のスピリッツ「NANAIRO-七色-」ができるまで

NANAIROシリーズの第一弾「NANAIRO-七色-」で提携したのは、鹿児島県志布志市の酒造メーカー・若潮酒造株式会社さま。今回は、若潮酒造の経営戦略室の上村曜介室長にLINK SPIRITSとの出会いから、NANAIROをつくるにあたりこだわった点や大変だった点、おすすめの飲み方などをうかがいました。

LINK SPIRITSとの出会いとは?
パートナーの決め手は「想いやスタンス」

LINK SPIRITSの代表・冨永さんが「2代目ミス薩摩焼酎」として活動しているときからSNSでつながっていました。そこから2021年10月に、“いまから蔵の見学は可能ですか?”とお問い合わせいただいて、蔵に来ていただきました。そして、たまたまその翌日に鹿児島市で打ち合わせがあったので、また再会して焼酎を飲んでお話しました。いま思えば、蔵に来ていただいたときの第一印象がよかったですね。焼酎に対する熱い想いやスタンス、バイブスが合うという感覚がありました。

冨永さんがパートナーにと声をかけてくださったときは、うれしかったですね。まだLINK SPIRITSという社名もないときから存じ上げていますが、「焼酎文化を広めたい」と言って奮闘されているのを知っていましたから。

また、当社は長年焼酎づくりを行っていますが、焼酎業界の未来に危機感をもっています。だからこそ普段焼酎を飲まない方に、どう手に取っていただけるかを考えて多様な焼酎づくりに挑戦していますし、そこに価値があると考えています。とはいえ新しいターゲット層に焼酎を届けることは容易ではない。冨永さんの力をお借りして、新たな焼酎ファンを獲得できることを期待しています。

社内からはまったく反対の声はあがらなかったですね。当社は「第1回酒屋が選ぶ焼酎大賞」の芋焼酎部門で大賞を受賞した『GLOW EP05』をはじめ、より焼酎の楽しさを表現するためにラベルのデザインをリニューアルしたGLOWシリーズや、木樽蒸留器でつくられた世界唯一のクラフトジン・424GINシリーズなども手がけており、もともと新しいことにチャレンジする風土があるためLINK SPIRITSとのプロジェクトにも、みんな積極的でした。

とくに香りを重視したNANAIRO
コナイシン芋の仕込みは通常の3倍もかかる

一般的に女性に好まれる焼酎は、香りに特徴があるもの。冨永さんからのオーダーも女性をターゲット層に見据えていたので、必然的に香りを重視して焼酎づくりを考えました。しかし、サツマイモの産地である鹿児島ですが、この5年ほど基腐病(もとぐされびょう)というサツマイモの病気がまん延し、サツマイモ農家さんは焼酎の原料に多く使われる黄金千貫をつくりたがらない傾向にありました。そこで私たちは、基腐病に強いとされるサツマイモの品種「コナイシン」を原料に採用することに。

これまでの経験から、コナイシンを原料にロゼワイン酵母の減圧蒸留でつくる本格焼酎は、香り高くフルーティーな味わいが期待できました。けれども、コナイシンはとにかく繊維が強くて硬い。原料のカットに3倍の時間がかかり、蒸したあとも硬くて仕込みの難しさがネックになりました。とはいえ、冨永さんの想いに応えたいとサンプルづくりに励みます。当社の杜氏も熱心に取り組んでくれました。

2回開催された試飲会では、それぞれ5種のサンプルを提案。そのなかから選ばれたのは、減圧蒸留によってコナイシンの成分が変化し、すっきりした味わいでフローラルな香りをうまく活かせた原酒でした。コンセプトに合わせて仕上げたことがよかったですね。試飲会のディスカッションには杜氏も参加しましたが、冨永さんをはじめ参加者のみなさんの新鮮な意見に、驚きながらも楽しんでいるようでした。

本格焼酎にムラサキ芋色素をプラスして
ピンク色のスピリッツに

冨永さんの意見は酒造メーカーからすると、いつも斬新でした。なかでも一番は、「本格焼酎に色をつけたい」というもの。当社では前例がありませんでしたし、“焼酎に色をつけていいのだろうか…”と頭を抱えてしまいました。けれども、本格焼酎に色をつけるという考えは、私たちではたどり着けない考えです。社内にもちかえり、自分たちとは違う冨永さんの視点を取り入れようと話し合いました。

NANAIROのピンク色は、紫芋の天然色素から生まれた色です。初めての試みでしたが、熟練の杜氏たちも“結構いいね!”と言っていましたね。ただ私たちがつくったのは紛れもなく本格芋焼酎ですが、色をつけたことによって酒税法の定義でスピリッツ(蒸留酒)に分類されました。

おすすめの飲みかたはソーダ割り
より香りを楽しむならお湯割りも◎

NANAIROはどんな飲みかたでもおいしく味わっていただけますが、私のイチオシはソーダ割り。さっぱりと香りと味わいを楽しめます。生ハムや柑橘類とのペアリングも、おすすめですね。あとは、個人的により香りを感じられるのはお湯割り。ベッドサイドにお湯割りを置いて、寝る前に香りを楽しみながら読書をするのも素敵な楽しみかたですね。

NANAIROはLINK SPIRITSが大切なものとしてつくったスピリッツ。若潮酒造としては、多くの人にたくさんご愛飲いただきたいと焼酎づくりをしていますが、大事に飲んでくださる人に届くといいなと思っています。ピンク色は天然色素ですので、時間の経過とともに少しずつ薄くなりますが、スピリッツはずっと保存できるお酒ですので、大切な人へのギフトや記念品としてもご利用いただけるとうれしいです。

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